(1)「毎日お仏壇、毎月お寺」運動の実践
浄土真宗の門信徒は、毎日朝に夕に我が家のお仏壇で手を合わせます。手を合わすその温もりから、仏さま(阿弥陀如来さま)の温もり・ご先祖の温もりが身をもって感じられます。それが私たちの豊かな「報恩感謝」の日暮しにつながります。
お寺では毎月、様々な法要や諸活動を行っています。これらの行事に、月に一度は参詣することにより、仏法を聴聞し、お念仏のみ教えを毎日の日暮しに活かしていきましょう。
(2)法要・法座の充実と参詣促進
浄土真宗のみ教えの基本は「仏法聴聞」です。単に先祖の法事を済ませたからそれで終わり、ではありません。葬式・法事は、私の「仏法聴聞」への尊いご縁であり、「仏法聴聞」を重ねることによって私の姿が阿弥陀如来さまに照らしだされ、今度は私が阿弥陀如来さまの願いに応えていくという「真実の人間」らしい日暮しの営みが始まります。
毎月の法要や法座・各種活動を充実し、家族揃って、友人・知人揃ってお寺に参詣し、お念仏の温もりの輪が家族に、友人・知人に、そして地域・社会に広まる運動を促進します。
(3)「定例茶話会」の実践
どんな人でも問題や悩みを抱えています。安楽寺では、法要や法座の場だけではなく、もっとお互いに気兼ねなく話し合える場として、「茶話会」を定期的に試みていきます。門信徒の皆様が日頃思っていること・悩んでいることを交換し合いながら、互いの温もりを感じ、自らのいのちが輝く機会になればと念じています。「酒?話会」もよいのではないでしょうか。
(4)仏前作法の周知徹底
「仏前作法は宗派によってまちまちでわかりにくい」という声をよく聞きます。確かに、わけのわからぬまま他人の見様見真似で自信なく行っている人が多いようです。仏教徒としてすべきではない清め塩が当たり前のように行われたり、焼香も誤った作法で行われていることもあります。
また、葬儀の意義がよく省みられないままイベント化し、形骸化してしまい、温もりを失っている例も見受けられます。
安楽寺では、「仏前作法の説明グッズ」を作成して、仏事の意義や正しい仏前作法のあり方を徹底して頂くようにします。また、「葬儀のしおり」を作成して、葬儀や法事の際に気をつけるべき事を紹介し、荘厳で意義深い葬儀・法事が行えるよう努めます。
(5)「親子三代」運動の実践
最近は「核家族化」がすすんでいます。青少年犯罪の要因の一つとも言われる「核家族化」ですが、事情により核家族になってしまうのも致し方ない現実です。
安楽寺では門信徒の皆さんに「親子三代運動」を提唱し、家族で三代揃うことが無理でも、お寺で「おじいさん・おばあさん世代」と「お父さん・お母さん世代」、そして「青少年世代」が一同に介し、互いの世代が温もりを感じられる場を作っていきます。
(6)広報・伝道活動の充実
現代はデジタルテレビ・インターネット・携帯電話など様々なメディアが蔓延し、私たちの情報も氾濫し、何が真実なのかが分かり難い世の中になってきました。そういう世の中だからこそ、「お念仏のみ教え」を正しく頂くことが益々重要となります。
そこで、様々なメディアを逆に活用した伝道活動が見落とせません。
若い世代が盛んに利用しているメディアを活用することにより、若い世代への広報・伝道活動を推進していきます。
また、従前の新聞(寺報)や葉書などの「文書伝道」もさらに充実し、老若・遠近問わず広く、そしてタイムリーに情報を提供し、広報活動面でも温もりの輪を広めていきます。
(7)各種教化団体の充実
安楽寺では、仏教壮年会・仏教婦人会・土曜学校(小学生)の教化団体が随時活動を行っていますが、会員数の停滞や活動のマンネリ化など、もっと活動を活性化させる必要があります。
「仏法聴聞」によって私たちは「報恩感謝」の営みに変革します。家庭に・地域に・社会に還元していく運動を行っていくことが、その会の魅力となり、会の活性化につながります。
門信徒の皆さんがすすんで各教化団体に関わり、自らの「報恩感謝」の営みをその会で実現していくべく、各団体の充実を促進します。そして、会員個々の温もりの輪を深めていきます。
(8)「いのち」に関わる様々な問題への取り組み
連日、新聞紙上では戦争・殺傷事件・汚職事件・差別事件・教育問題・環境問題など様々な悲しいニュースがあふれています。これらの事件や問題は決して他人事ではありません。「自分は大丈夫」と思っていても、一度何か縁に触れると大変なことをおこしかねないのが人間です。また、教育や環境問題というのは私たちの実生活に密接に結びついている問題です。
そのような問題に対して、決して他人事とは済まさずに、自分自身のこととして受け止め行動していくのが私たち念仏者です。先ずは、家庭からこれらの問題を語り合い、お寺の「茶話会」や教化団体で語り合うなど、これらの問題に積極的に取り組んでいきます。
(9)離郷門信徒への教化促進
仕事や諸事情により、郷里・宮崎を離れ都会や全国各地に住居を移さざるえない家庭が増えてきました。安楽寺では、そういう家庭に対して、遠隔地に行っても仏法の温もりに触れ合えるような体制づくりを目指します。
重点項目(1)でも挙げたように、「毎日お仏壇、毎月お寺」運動は遠隔地に行っても大切なことです。今はマンション住まい用のコンパクトな仏壇もあります。お寺も極力その近辺のお寺にご縁をもってもらうよう努めます。そして、重点項目Eで挙げたように、色々な広報手段で離合門信徒の方にもお念仏のご縁にあえる教化運動を促進します。
(10)地域講への取り組み
旧来、浄土真宗の伝道は「講」という組織で広まり・深まっていました。「講」とは「なかま、寄り合い」という意味で、講によって法座を営み、講によって日常の地域生活を行っていました。
現在社会において、色々な要因で「講」の意味合いも薄れ、安楽寺も長らく「講」の組織が消滅していますが、改めて講を現代流に再興する取り組みを行います。
(11)社会福祉法人「光輪会」への支援
安楽寺が設立した社会福祉法人「光輪会」(「橘保育園」・「橘デイサービスセンター」・「配食サービスたちばな」・「たちばな居宅介護支援事業所」・「ビハーラ橘ヘルパー派遣センター」)は、現在順調に市民のニーズに応え、信頼される事業を展開しています。
言うまでもなく仏教者の行動は「社会奉仕」にあります。仏教精神・お念仏のみ教えに生きる「光輪会」は、光のように明るさと温かさが通い合う場、共に支えあい輪になって生きることが実感できる施設として、乳幼児から高齢者までが昼間の生活を共にしています。
安楽寺は今後も「光輪会」を全面的に支援し、かつ、「光輪会」と共同事業を行いながら「生涯聞法」が実践できる場を提供していきます。
(12)「念仏公民館」としての安楽寺会館の使用活性化
安楽寺会館は7階建ての多目的施設として、安楽寺の諸活動や法事を始め、法事の会食場、そして、地域の趣味サークル・各種グループの会合の場として活用されています。まさしく、安楽寺門信徒の「公民館」的機能を発揮しています。
今後は、門信徒が何も用事がなくても気軽に集い、門信徒が自主的に運営し、様々な活動に利用して頂くことにより、「安楽寺」らしい、温もりの輪が深められる施設に発展していけるよう努めます。
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